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  <title type="text">朱殷　shuan</title>
  <subtitle type="html">梅千代の創作物の保管庫です。</subtitle>
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  <updated>2011-03-10T20:26:23+09:00</updated>
  <author><name>梅千代</name></author>
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    <published>2021-03-11T16:17:43+09:00</published> 
    <updated>2021-03-11T16:17:43+09:00</updated> 
    <category term="業務連絡" label="業務連絡" />
    <title>はじめに</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[■導<br />
<br />
ここは機械に弱い管理人・梅千代による創作文章・イラスト専用ブログです。<br />
<br />
書き手の趣向により<strong><span style="color:#330033"><strong>BLGLエログロ</strong></span></strong>…なんて書いちゃうかもしれません。警報は鳴らしますので注意して閲覧してください。そもそも言葉の意味が分からない人は見ないことをお薦めします。そしてそのままピュアでいてください。<br />
<br />
掲載文章でもしばしば書き直しを行う事があります。<br />
<br />
著作権捨ててないので、無断転載や引用などはお控えください。<br />
<br />
<br />
■繋<br />
<br />
<a href="//shuan.kagome-kagome.com/File/shuan02.jpg" target="_blank"><img src="//shuan.kagome-kagome.com/Img/1300880857/" border="0" alt="shuan バナー" /></a><br />
（直リンク不可）<br />
<br />
リンク・アンリンクフリーです。<br />
一声かけて頂くと助かります。<br />
<br />
<br />
■問<br />
<br />
何かありましたらコチラに⇒<u><span style="color:#330033">mume.chocolate♥gmail.com</span></u>　（♥＝＠）<br />
<br />
]]> 
    </content>
    <author>
            <name>梅千代</name>
        </author>
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    <published>2020-03-10T20:37:06+09:00</published> 
    <updated>2020-03-10T20:37:06+09:00</updated> 
    <category term="業務連絡" label="業務連絡" />
    <title>  お品書き</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[since 2011/03/10<br />
<span style="color:#FF9999">2012/09/03更新</span><br />
<br />
 old<br />
  ↓<br />
 new<span style="color:#FF9900">☆</span><br />
<br />
 rewrite<span style="color:#99CC66">＊</span>(2011/12/03)<br />
<br />
<文><br />
<br />
●詩<br />
　<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/21/">人魚</a>／<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/22/">紫陽花</a>／<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/24/">悲鳴</a>／<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/32/">神様</a>／<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/33/">孤独なエゴイスト</a>／<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/34/">上履き</a>／<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/35/">ヤドリギ</a><br />
<br />
●短編<br />
　<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/4/">鎹(かすがい)</a><br />
　<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/28/">開けたが最後。</a><br />
　<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/30/">An Ignorant "Lucifer"</a><br />
　<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/31/">石に願いを</a><br />
　<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/36/">メタモル</a><span style="color:#FF9900">☆</span><br />
<br />
●三題噺<br />
　<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/18/">絵、樹、歳</a><br />
　<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/2/">うり、なみだ、しっぽ</a><span style="color:#99CC66">＊</span><br />
　<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/3/">杭、無風流、柔婉</a><br />
　<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/25/">空中楼閣、懶惰、息吹</a><span style="color:#FF0000">※BL風味</span><br />
　　　└<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/29/">ミラーハウスの外側</a>(続編)<span style="color:#FF0000">※BL風味</span><br />
<br />
●お題(消化中)<br />
　01　<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/26/">My mother has killed me.</a><br />
　02　Who killed Cock Robin.<br />
　03　<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/27/">I'll grind his bones to make my bread.</a><br />
　04　I had to go to London to buy me a wife.<br />
　05　He had left his legs and arms lying all over the room.<br />
（<a href="http://almekid.web.fc2.com/">Cock Ro:bin</a>さまからお借りしました）<br />
<br />
●中編<br />
　親日天狗 (完結)<br />
　　　└<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/5/">1</a> <a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/6/">2</a> <a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/7/">3</a> <a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/8/">4</a> <a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/9/">5</a> <a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/10/">6</a> <a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/11/">7</a><br />
　五月晴れ (完結)<br />
　　　└<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/12/">1</a> <a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/13/">2</a> <a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/14/">3</a><br />
　終わりなきカニバリズム：<span style="color:#FF0000">残酷描写を含みます</span><br />
　　　└<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/16/">1</a> <a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/17/">2</a> <a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/19/">3</a> <a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/20/">4</a><br />
<br />
<br />
<繪><br />
<br />
<a href="http://shuan.kagome-kagome.com/Entry/23/">芥子</a>]]> 
    </content>
    <author>
            <name>梅千代</name>
        </author>
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    <published>2012-09-03T10:24:23+09:00</published> 
    <updated>2012-09-03T10:24:23+09:00</updated> 
    <category term="未選択" label="未選択" />
    <title>メタモル</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<br />
<br />
<br />
「うあ、あああ、あ」<br />
 <br />
細く、細く、あたしの内股を赤い線が走った。赤？うん、きっと、赤色。虚ろな頭でかろうじて考える。だって初めてなんだもの。痛い筈なのに痛みはいつの間にか消えていて、生温い感触だけが鮮明に浮かび上がっていた。もう抵抗する気にもならない。まだ咲いてもいなかったユリの蕾はぽっきりと手折られて。無情にも、そんなことを気遣ってくれる人はここにはいなくて、あたしは絶望に体を震わせた。<br />
 <br />
「いやだ…！」<br />
 <br />
 <br />
 <br />
 <br />
 <br />
――pi pi pi…<br />
 <br />
そうして、今日も朝が来た。目覚めたのはあたしのベッドで、服もちゃんと着ている。<br />
 <br />
じーわ、じーわ。朝から元気に蝉が命を燃やして夏を暑くしていた。まだ冷房を入れていないあたしの部屋はしっとりしていて、少し前なら暑くて不機嫌になっていた筈だった。<br />
 <br />
この頃は、ずっと、寒い。<br />
 <br />
あたしは朝食をとると、体温をこれ以上逃さないように体を制服ですっぽり覆った。カーディガンを着て、タイツをはいて…本当は、マフラーでも巻いてやりたい。しかしいたずらに周りから注目を集めることは避けたかったのでそれは諦めた。代わりに伸ばした髪の毛で首を隠した。<br />
 <br />
こんな武装をするくらいなら学校なんて行かなきゃ良いのだということはわかる。わかってはいても選択肢の是非を問う余裕すら、あたしにはない。辛いと感じる器官を壊すことであたしは普通なふりをしているのだろう。ついでに清純なふりもして、家を出た。<br />
 <br />
突き刺す太陽も抜けるような青空も人の行き交う通学路も意地悪な信号機も黒に掠れた横断歩道もひび割れた学校もまだまばらな学生の声もなんにも、なぁんにも、変わってはいないのに、異次元に放り出されたようだった。てか、そっちの方がまだマシなのかもな。<br />
 <br />
主人公は不思議な世界をさ迷って、でも本当はお姉さんのお膝でぐーすか寝ていただけでした。<br />
 <br />
『あぁ、なんて不思議な夢だったの。でも、夢で良かった！』<br />
 <br />
なんてね。<br />
 <br />
教室に入ると今日も飽きずに机の上にゴミが散らかっていた。言い方が悪かった。あたしの机ではなく、ふたつ離れた水沼さんの机に、だ。時間帯が早いから、おそらく昨日の放課後遅くにやられたんだろう。<br />
 <br />
バカらしいと思う。やることが幼稚で鼻で嗤ってしまいそうになった。まぁだからといって別に水沼さんをどうこうしてあげなきゃいけない義理はない。憐れな机は無視してあたしは席についた。知らんぷりも同罪であることはわかった上である。<br />
 <br />
水沼さんは、全身からいじめて下さいオーラが出ている感じの、典型的ないじめられっ子だ。喋るのが下手で、自己主張をしない。目が隠れるほど前髪が長くてうっとうしくて、異常なほど細くて、なんか汚い感じがする。きっと悪気はないんだろうけれど、周囲をどうしても苛々させてしまうタイプの人だった。<br />
 <br />
丸めたティッシュとか消ゴムのカスとか、下品な落書きの机がまた視界に入った。<br />
 <br />
クラスメイトが勝手につけた冷房が寒い。あたしは体を丸めた。<br />
 <br />
「きぃー、おはよう」<br />
 <br />
iPhoneを弄って暇潰しをしていると、可愛らしい笑顔を振りまいて、あきが近寄ってきた。体温が更に下がるのを感じたが、それでもいつも通りに、自動的に、挨拶を返していた。<br />
 <br />
「おはよ」<br />
「何してたの？」<br />
「なめこ飼育だぉ」<br />
 <br />
iPhoneの画面を見せると飽きないねぇとあきはけらけら笑った。何がそんなに楽しいのかわかんない。でも合わせてあたしも笑った。ついでに口も勝手に喋ってくれる。<br />
 <br />
「可愛いぜなめこ。今しろなめこゲットしたとこ」<br />
「どーでもいーし!!……ってか今日暑いねぇ～。教室天国だぁ」<br />
 <br />
うーっ!!と伸びをして、彼女はあたしを見下ろした。<br />
 <br />
「ねぇ、その格好、暑くない？」<br />
 <br />
不思議そうに指摘された。<br />
 <br />
「…んー…むしろ寒いなぁ。最近どこも冷房キツいじゃん」<br />
「まぁそうかもだけど、タイツはやり過ぎじゃね？最近までフツーに夏服だったじゃん」<br />
 <br />
声の調子は軽いのにじわじわと追い詰められているような錯覚を覚える。言葉の一つ一つが紐になって、喉に絡み付いてくると言えばわかりやすいだろうか。<br />
 <br />
「ねぇ」<br />
 <br />
あきのいつもの愛らしい笑顔が、引き攣った歪んだ笑顔に見えた。そんなもんもう笑顔じゃない。<br />
 <br />
「何かあったの？」<br />
 <br />
また体温が下がる気がした。寒さに歯がかたかた鳴りそうになる。怖いんじゃない。寒いんだ。あたしは腕を擦って自分を騙した。<br />
 <br />
あきの問いは表向きは友人の変化に対するただの疑問に過ぎない。<br />
 <br />
でも彼女は。<br />
 <br />
もうきっと知っているんだろう。あきは…何があったのか知っているのにどうしてあたしに訊くのかな。<br />
 <br />
「いや、寒いだけだって」<br />
 <br />
だって、アンタの彼氏さ、口軽いじゃん。<br />
 <br />
太股の奥から、まだ汚いものが出てきている気がした。あたしの中から出てくるのだ。周りを汚いと罵ることも出来ない。皆が憧れて、夢見て、耽溺して、依存して、中毒みたいになってしまうセックスというものは、使い方を誤れば心を砕く鈍器だ。<br />
 <br />
「皆、もっとエコに生きなきゃ」<br />
 <br />
もっと言えば人間を殺すキョウキだ。<br />
 <br />
その後もことあるごとにあきの問いは繰り返され、止まらなかった。枝里や瑞季がいたって訊いてくるんだから、指先の冷えが心臓まで届いた。寒い、ひたすら。<br />
 <br />
あきの瞳の奥には焦りがあるようだった。<br />
 <br />
どうやら揺さぶっても揺れて見えないあたしの感情に焦れているらしかった。確かに外側だけみれば、あたしは一流女優も真っ青な演技を続けている。<br />
 <br />
彼女からの攻撃に疲弊しながら迎えた放課後、階段掃除を終えて教室に戻ろうとすると非常に面倒なことが起きていた。少し興奮したような、そして冷たい無機物のような声がいくつもしている。そっと教室を覗くと水沼さんへのいじめが直接的になされていた。クラスメイト達にはいらない勇気があったようだ。<br />
 <br />
「なんか言いなよ」<br />
「ちょっと、やりすぎんな」<br />
「臭くねぇ？」<br />
「………」<br />
「………」<br />
 <br />
好き勝手なことを言って、たまに小突く。水沼さんは俯いて、あの鬱陶しい前髪の奥でどんな表情をしているのかはわからなかった。<br />
 <br />
そういうところにますます腹を立てたのか、一人が不穏なことを言い出した。<br />
 <br />
「前髪邪魔じゃない？切ってあげる」<br />
 <br />
いつもならブレーキになるやつが席を外しているらしく、誰も止めに入らない。ちゃっちい文房具の鋏が水沼さんに向けられた。流石の水沼さんも本気になって抵抗を始めたけれど、鋏は小気味よい音を立てて水沼さんの前髪を切断した。<br />
 <br />
あーあ傷害罪だ。馬鹿だ、本当に。<br />
 <br />
入り口の柱に寄りかかって観察を続けていると、ふと水沼さんと目が合った。遮っていた前髪は今さっき無くなったので水沼さんと目が合うのはこれが初めてだ。ぎょろりとした大きな目が、こちらを向いている。彼女を虐げているのはあたしではないのに水沼さんの視線はあたしから外れない。何なの？どうしてこっち見るの？不思議なのに何故だかあたしも目を逸らせなかった。確かなのは彼女の視線が助けを求めるようなそれではないことくらいだ。<br />
 <br />
やがて、水沼さんはあたしを見たまま――泣いた。水沼さんが泣いたところもまた、初めて見た。表情は全然変えないで、ひたすらぼろぼろ涙を溢していた。清らかな、とても綺麗な涙だった。<br />
 <br />
その透明な雫が、あの暴力に殺されたあたしを悼んでいるようだとあたしは勝手に思ってしまった。<br />
 <br />
クラスメイト達はそれはそれは嬉しそうに哄笑していた。痛め付けが相手に響くということの快楽は計り知れない。やがて飽きたのか、水沼さんを残して彼らは教室を出ていった。<br />
 <br />
廊下に出たその中の一人があたしに気が付いて声をかけてきた。<br />
 <br />
「きぃちゃん、そんなとこにいたんだ。折角だし一緒に帰ろうぜ」<br />
「ごめん、あたしやることあるから先に帰ってよ」<br />
 <br />
あたしもそいつも教室で起こっていたことなんて一言も触れなかった。ばいばいと手をふって、あたしはやっと教室に足を踏み入れた。水沼さんはへたりこんで呆然としていた。でもやっぱりあたしを凝視している。――ううん、ここまで見られると少しキモいな。<br />
 <br />
床には髪の毛が散っている。量から察するに後ろも少し切られたようだ。投げ捨てられた鋏を拾うと、あたしは水沼さんに近付いた。流石にびくつかれた。そりゃ、そうだ。今の今まで彼女が受けていたのは明白な暴行なのだ。<br />
 <br />
でも、取り繕う言葉は使いたくなかった。あたしは無言のまま、水沼さんの無茶苦茶に切られた前髪にそっと鋏を添えた。水沼さんは自分の前髪の運命に諦念でも抱いたのか抵抗しなかった。<br />
 <br />
案外彼女の前髪の長さは残っていて、うまくアレンジすることが可能だった。仕上がりを見ると、少し個性的、くらいで済むものだった。<br />
 <br />
「……これでも、髪の毛切るのは上手い方なんだよ。好み、違ったらごめん。でも、髪の毛って伸びるから」<br />
 <br />
許して。とまた目を合わせた。水沼さんはまた何も言わずにぽろりと涙を溢した。何となく彼女の頬を転がっていくそれを舐めてみた。<br />
 <br />
「……しょっぱいね」<br />
 <br />
水沼さんは嫌がりもしなかった。人形みたいだ。<br />
 <br />
そういえば、あたしはあの一方的な性行為の後から、一度も泣いていないな。そんなことを思った。<br />
 <br />
 <br />
 <br />
 <br />
 <br />
翌日から水沼さんの変化が始まった。<br />
 <br />
まずは彼女の前髪だが、これはいじめのせいだ。しかし前髪が短くなって露になった彼女の顔は案外可愛らしいものだった。<br />
 <br />
次にボサボサだった水沼さんの髪型がショートボブに変わり、更に赤茶色に脱色してきた。これでもうイメージは一気に変わる。ただ彼女は依然いじめの標的であったので、難癖をつける輩も少なくはなかった。<br />
 <br />
まだ変化は続く。膝下まであったスカートが短くなり、メイクをしはじめた。ほんの少し肉付きが良くなった。たまに理不尽に抗うようになった。男遊びをしていると噂が立った。そこまでくると、水沼さんは最早異常と言っても良いほどの変貌を遂げていた。<br />
 <br />
一方あたしは相も変わらずな格好で学校に通っている。暑苦しいは言われるけれど特異な目で見られることは減った。退屈な授業中、あたしは頬杖をついてちらっと水沼さんに目を向けた。前髪が無くなっただけで人間ってここまで変わるものなのだろうか……。<br />
 <br />
考えていた矢先に事件は起こった。<br />
 <br />
あきが昼休みに携帯を見て突然泣き始めた。どうしよう、どうしようを繰り返して話にならない。<br />
 <br />
「あき、あき、喋れる？どうしたの？」<br />
 <br />
あきははくはくと浅い息を繰り返している。瑞希があきの背中を優しく叩いた。<br />
 <br />
「みーくんが…っ」<br />
 <br />
あきの彼氏が誰かに暴行されて入院した、らしい。意識が戻らない、らしい。<br />
 <br />
なんだそれ、飛び込んできた非日常にあたしたちはざわめいた。<br />
 <br />
瞬間背後から刺すような視線を感じた。あたしはこの視線を覚えている。振り返ったらいけない気がして、でも、視線の圧力に抗えなくて、あたしは恐る恐る振り返った。<br />
 <br />
水沼さんが見ていた。<br />
 <br />
あたしが切った前髪は幾分伸びてさらさらしている。うるうるとした大きな瞳は、長い睫毛に縁取られて別人のようだ。でも、あの時と同じように真っ直ぐ、あたしを見ていた。ただ彼女は泣いたりしなかった。あたしを、ひたすら、見詰めて、グロスがのった唇に人指し指をあてて――妖艶に微笑んだ。<br />
 <br />
直感した。彼女は、何かを知っている。そして知ってしまった女の子だ。あたしと同じかそれ以上に汚れた存在だ。じゃなきゃあんな笑い方、できるもんか。<br />
 <br />
目が逸らせない。じわ、と目頭に懐かしい感触がした。次にはもう頬を雫が転がっていっていた。<br />
 <br />
瞬きをしてやっとあたしは水沼さんから目を逸らした。あたしは何か誤魔化すようにあきの体を抱き締めた。<br />
 <br />
「あき、大丈夫、大丈夫だよ」<br />
 <br />
涙が止まらない。枝里も瑞希もあきも不思議そうに、怪訝な顔であたしを見ていたけれども涙は後から後から溢れてきた。<br />
 <br />
あたしは馬鹿みたいに、狂ったように、繰り返す。<br />
 <br />
「大丈夫」<br />
 <br />
あれだけひえていたからだが、いまはとてもあつかった。<br />
 <br />
 <br />
 <br />
<span style="font-size:x-large"><span style="color:#FF3399">メタモル</span></span><br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
—————<br />
友人に昼ドラと言われて本当だ！となりました<br />
書いているときはそういうのがわかんなくなるから怖いです]]> 
    </content>
    <author>
            <name>梅千代</name>
        </author>
  </entry>
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    <published>2012-01-10T19:47:00+09:00</published> 
    <updated>2012-01-10T19:47:00+09:00</updated> 
    <category term="駄文" label="駄文" />
    <title>ヤドリギ</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<br />
『ヤドリギ』<br />
<br />
<br />
<br />
奪います<br />
横取りします<br />
自分では何もしません<br />
差し上げるものは害だけです<br />
<br />
でも　だから<br />
<br />
一緒に生きてください<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
—————<br />
2010年頃の作品をリメイク]]> 
    </content>
    <author>
            <name>梅千代</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>shuan.kagome-kagome.com://entry/34</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="https://shuan.kagome-kagome.com/%E9%A7%84%E6%96%87/%E4%B8%8A%E5%B1%A5%E3%81%8D" />
    <published>2012-01-10T19:41:49+09:00</published> 
    <updated>2012-01-10T19:41:49+09:00</updated> 
    <category term="駄文" label="駄文" />
    <title>上履き</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<br />
『上履き』<br />
<br />
<br />
<br />
まっさらだったあの頃<br />
<br />
薄汚れて<br />
ゴムはひしゃげて<br />
擦り切れて<br />
踏みつけられて<br />
<br />
いつしか大人になっていた<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
—————<br />
2010年頃の作品]]> 
    </content>
    <author>
            <name>梅千代</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>shuan.kagome-kagome.com://entry/33</id>
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    <published>2012-01-10T19:35:33+09:00</published> 
    <updated>2012-01-10T19:35:33+09:00</updated> 
    <category term="駄文" label="駄文" />
    <title>孤独なエゴイスト</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<br />
『孤独なエゴイスト』<br />
<br />
<br />
<br />
皆　皆　私が嫌いって<br />
そう言った<br />
<br />
私には<br />
私に好意をくれる人がいないようなので<br />
<br />
私だけは私を<br />
<br />
あいしてあげる<br />
<br />
<br />
もしもそれに飽きたとき<br />
誰かを愛せるように<br />
<br />
愛すことを忘れないように<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
—————<br />
2010年頃の作品を少しリメイク]]> 
    </content>
    <author>
            <name>梅千代</name>
        </author>
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    <published>2012-01-10T19:29:05+09:00</published> 
    <updated>2012-01-10T19:29:05+09:00</updated> 
    <category term="駄文" label="駄文" />
    <title>神様</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<br />
『神様』<br />
<br />
<br />
<br />
あっさり見捨てる神様<br />
願いを叶えてくれない神様<br />
いることなんて証明できない神様<br />
<br />
でも<br />
<br />
祈りをただ聞いてくれる神様<br />
静かに見ていてくれる神様<br />
いないことも証明できない神様<br />
<br />
だから神様はいつも側にいる<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
—————<br />
2010年頃の作品を少しリメイク]]> 
    </content>
    <author>
            <name>梅千代</name>
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    <published>2011-12-03T22:37:55+09:00</published> 
    <updated>2011-12-03T22:37:55+09:00</updated> 
    <category term="駄文" label="駄文" />
    <title>石に願いを</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[『石に願いを』<br />
<br />
<br />
<br />
歩きながらふと空を見上げた。<br />
<br />
都会は所謂コンクリートジャングルってやつで、そびえ立つビル群で縁取られた夜空はやけに狭く真っ暗だった。更に看板のネオンや照明のせいで、月以外には何にもない空に見えた。私は星が見たかったのに。些か残念だった。しかし、ただそれだけなのに、胸をきゅう、と締め付けられたような変な気分になった。<br />
<br />
首が痛くなったのもあって私は普通に歩き始めた。「普通に」歩いて――そういえば自分はいつも俯いて歩いていることに気がついた。ああ、だから空を仰いで、少しがっかりしてしまったんだ。見上げてなかったせいで自分が思ってるより空が狭いことを知らなくて、気付いた結果閉じ込められてるような妙な気分にでもなったんだろう。<br />
<br />
それでも首は少し下を向いたままで、履き潰した汚いスニーカーがせっせと働くのが目に入った。<br />
<br />
木枯らしに手がかじかんで、私はポケットに手を突っ込んだ。<br />
<br />
小さな冷たい塊が、右の指先に触れた。<br />
<br />
◆<br />
<br />
隕石にはざっくり分けて二種類あるのだという。それを更にざっくり分けて分かりやすく言うと、隕鉄、石鉄隕石、石質隕石の三種類。隕鉄は全て金属で出来たもの、石鉄隕石は金属が含まれている隕石、石質隕石は金属が含まれていなくて、地球のそこら辺に転がってるような石とほぼ変わりない組成の隕石。<br />
<br />
「だから、石質隕石が地面に転がってたとしても、気付けないでしょうね」<br />
<br />
大学の地学の講義で、私は妙に感心していた。誰かにこのちょっとした胸の高鳴りを伝えたかったが、前も後ろも知らない人で、どころか教室全体で話しかけられる人がいなかった為、私の感動は私の中だけで消化された。虚しく無かったと言ったら嘘になる。<br />
<br />
地学担当の教授はぽってりとした体を揺らして、楽しそうに講義を続ける。その手にはスライドガラスや小さな黒い塊があった。<br />
<br />
本物の隕石。地球じゃなくて、想像もつかないような遠く離れた場所からからふよふよと宇宙を漂って旅してきた石だ。再び私は感動したが、やはり孤独を噛み締める他にすることはなかった。<br />
<br />
話は次第に他の内容に移り、間もなく講義は終了した。しかし、教卓の前には小さな人だかりが出来ていた。<br />
<br />
本物の隕石をこの目で拝めることも少ないのに、どうやら更に触らしてもくれるようなのだ。この機会を逃したら博物館に足を伸ばしたり専門店にでも行かなければ隕石になんて出会えない。そう考えれば当然の事だ。私は空いて来た頃を見計らって、静かに教卓に近付いた。<br />
<br />
「これって、流れ星のカケラなんですか」<br />
<br />
まだ教卓周りにいた一人の女子大生が教授に尋ねていた。その指には小石サイズの黒い石質隕石が摘まれていた。<br />
<br />
随分とロマンチックな言い方だなぁ！性格的に私には恥ずかしくてちょっと言えない言い回しだ。…羨ましいけれども。<br />
<br />
尋ねられた教授はそうだと肯定した。<br />
<br />
そして遂に私が自分に回されてきた隕石を手に乗せている時も、教授は説明を続けていた。<br />
<br />
「隕石は地球に落ちてくる時、大気との摩擦で高温になって、燃えるんだ。空気中のケイ素のせいもあって表面がガラス質になって、融けたみたいになっているでしょう」<br />
<br />
自分に言われてる訳でもないのに、こく、こく、私は頷いた。<br />
<br />
黒い石には、表面が確かに融けた痕が残っていた。<br />
<br />
「流れ星の大体は、それで燃え尽きちゃうんだけど、隕石は地表まで届くからね…」<br />
<br />
やっぱり、流れ星のカケラなのか…。<br />
<br />
むず痒くなる表現は、間違っていないのだ。ただ、カケラというより燃えかすが正解に近い気もした。駄目だ、いけない、一気にロマンチックさが下がった。<br />
<br />
「…それ欲しい？」<br />
「え」<br />
<br />
はっ、と声に顔を上げると、教室にはもう私と教授しかいなかった。隕石を眺めてぼんやりしていたらしい。教室内もひんやりしてきていた。<br />
<br />
教授は穏やかな目で私を見ている。私は焦ってしどろもどろしながら、否定しなければいけないのに、でも、首を横に振ることが出来なかった。<br />
<br />
「私物だし、あげるよ」<br />
<br />
教授はガサガサゴソゴソ教卓の上を片付けて荷物を右手にまとめると、私の手にある石を手に取り、私のコートのポケットに落とした。<br />
<br />
「大学生になったらまたおいで」<br />
<br />
まぁ、次回も来ても別に良いんだけどね。柔和に笑って彼は言った。<br />
<br />
教授は革靴を鳴らしながら廊下を歩いていった。<br />
<br />
お礼も、疑問も、弁解も、一言も言い出せずに私は教室に一人佇んでいた。<br />
<br />
◆<br />
<br />
多分、あの教授には、偶然、何処かで制服姿を見られたんじゃないだろうか。滅多に制服を着ないから、天文学的な確率で。……いや無理だろ。人間の記憶力ってそんなに有能じゃない。……やっぱり他に理由があるのかもしれない。<br />
<br />
はぁ、と吐き出す息は白い。漂って流れて、霧散していった。<br />
<br />
スニーカーがとらえるアスファルトの感触には流石にもう慣れたけれど、私が都会に来たのは最近のことだ。親の転勤、良くあるハナシ。で、良くあることに私は新しい高校にうまいこと馴染めていない。ド田舎っていう閉じられた世界で生まれ育って来て、中途半端に成長したら新しい人間関係の築き方とかどうしてかすっぽり抜けちゃって、二進も三進もいかなくなっていた。<br />
<br />
だから、出席日数が足りる範囲で逃げた。でも、怠けてるって思いたくなくて、近くの大学に行って高校生でも何となく分かる講義を聞いたりして、自分を納得させていた。<br />
<br />
ああ。みっともないなぁ。<br />
<br />
私はポケットの中の石を指先で転がした。<br />
<br />
流れ星が流れる間に三回願いを唱えると、願いが叶うらしい。じゃあ、流れ星の燃えかすを手に入れたら、どうなるんだろう。<br />
<br />
祈るように、私は石を握りしめた。頭の中で呟くように、願いを石に訴えた。<br />
<br />
もう少し器用に生きられますように。<br />
<br />
もう少し勇気が持てますように。<br />
<br />
もう少しだけ、強くなれますように。<br />
<br />
気付けばかなり欲張っている自分がいた。三回願いを唱えるのではなく、三つの願いを唱えてしまっている。口元に苦笑が浮かんだ。<br />
<br />
でも、握った流れ星のカケラが、隕石が、その辺の石と大差ない小石が、僅かな暖かさを返してくれたように思えたから。もうちょっと、頑張れる気がして。<br />
<br />
私は珍しく真っ直ぐ前を向いて歩き出した。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
—————<br />
実際に地学でやった授業の話でした。隕石云々の話は間違ってない…はず…。<br />
]]> 
    </content>
    <author>
            <name>梅千代</name>
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    <published>2011-10-04T16:45:30+09:00</published> 
    <updated>2011-10-04T16:45:30+09:00</updated> 
    <category term="駄文" label="駄文" />
    <title>An Ignorant &quot;Lucifer&quot;</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[『An Ignorant "Lucifer"』<br />
<br />
<br />
<br />
知らない場所に訪れたいと思う。<br />
<br />
行ったことがない場所に行きたいという訳ではない。それではただの旅行だ。【地名すら知らない】場所に行きたいのだ。放り出されるように。<br />
<br />
人がいてもいなくても、生存に厳しい場所であろうとなかろうと、きっと俺は戸惑い、不安になり、しまいに恐怖するだろう。だって投げ出された場所での身の振り方も、どう過ごすのが最善かもわからないのだ。<br />
<br />
しかし、そうすれば、自分でない自分になれるんじゃないだろうか。<br />
<br />
それか、本当の自分と言うものを見つけられるんじゃないだろうか。<br />
<br />
<br />
<br />
「下らないね、」<br />
<br />
友にそう、胸の内の小さな願望を話したら、一蹴されてしまった。受けた落胆はさくりと軽く、鋭利なものが掠めていった感覚に似ている。<br />
<br />
「ああ、下らないさ」<br />
<br />
俺は強がった。口の中が渇くので、手元の珈琲を手にとる。砂糖も何も入れず漆黒を保っていた液体は舌の上で苦く広がった。<br />
<br />
俺は全て否定するようにもう一度、強く繰り返した。<br />
<br />
「ただ、ただ下らない話だ」<br />
「自ら認めるのか？じゃあ何が下らないか説明してくれ」<br />
「……っそれは…羞恥心が邪魔をする」<br />
<br />
横暴な要求に俺は顔をしかめた。だろうなぁ、と友は嫌みな笑みを浮かべる。<br />
<br />
穏やかな音楽が流される中、こつ、こつ、と足音がこちらに近付いてきた。このアンティークな喫茶店の店主が友人の元へケーキを運んで来たのだった。<br />
<br />
そうだった。別にここには友人と二人ぎりという訳ではないのだ。この店の雰囲気にあてられて浮かれた気分になったようだ。この人も、俺の戯れ言を聞いていたに違いない。内心莫迦にしているの、かもしれない。<br />
<br />
そう思うと、この店主の本来褒められるべき存在感の無さが恨めしかった。<br />
<br />
「なに、厭な顔をして」<br />
<br />
友はにやにや笑いを続けたままに、ケーキにフォークを突き立てた。苺のミルフィーユだ、ぱらぱらとパイ生地の破片が皿に飛び散る。<br />
<br />
「嗜虐趣味に付き合う心算はない」<br />
<br />
溜め息をひとつ。<br />
<br />
友は尚も嗤う。<br />
<br />
「つれないねぇ」<br />
「変態」<br />
<br />
全く、どうして俺はこんな奴と友人なのだろうか。<br />
<br />
「じゃあ甘やかしてあげよう、」<br />
<br />
ミルフィーユのひとかけが俺の口に運ばれる。抵抗するのは不毛に思われたので、素直に口を開きけ受け取る。今まで食べた中で一番に美味いのに腹が立ったが。<br />
<br />
「本当のお前は、さぞご立派なのだろうね」<br />
<br />
嗚呼……………随分と苦いこと。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
—————<br />
書き上げた時は達成感に溢れていたのですが。]]> 
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            <name>梅千代</name>
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    <published>2011-09-08T17:19:55+09:00</published> 
    <updated>2011-09-08T17:19:55+09:00</updated> 
    <category term="駄文" label="駄文" />
    <title>三題噺「空中楼閣、懶惰、息吹」続編</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[※若干BL風味<br /><a href="https://shuan.kagome-kagome.com/%E9%A7%84%E6%96%87/%E4%B8%89%E9%A1%8C%E5%99%BA%E3%80%8C%E7%A9%BA%E4%B8%AD%E6%A5%BC%E9%96%A3%E3%80%81%E6%87%B6%E6%83%B0%E3%80%81%E6%81%AF%E5%90%B9%E3%80%8D%E7%B6%9A%E7%B7%A8" target="_blank">本文</a>]]> 
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            <name>梅千代</name>
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